9月に入ると気温が急に下がり始め、すっかり秋の装いだ。
里山では稲刈りが始まり、林には栗が落ち、山は赤や黄色に染まる。長い冬を迎える前の東北は、色鮮やかに人々の心を盛り上げてくれる。旅行者にとって、紅葉の大自然を訪れるのは大きな楽しみだ。せっかく行くのだから、出来るだけベストなタイミングに、ベストな場所を訪れたい。
今回は、十和田湖の秋を満喫するためのヒントを紹介したい。
【十和田湖の紅葉の見頃はいつ?】
東北各地の紅葉はかなり早い。
山の上だと9月上旬から色付き始め、11月には里山でもすでに紅葉が終わっている場所が多い。そんな中、十和田湖畔の紅葉は例年、10月半ばから下旬がベストだと言われている。十和田湖周辺は山に囲まれ、高低差がある。山の上が色付いてきたら紅葉が始まる合図だ。湖畔の木々はそのあと1~2週間で紅葉を迎える。
十和田湖の紅葉の前半はブナやカツラ等の黄色が目立ち、後半になるにつれてカエデやナナカマド等の赤色も加わり、シーズンを通して様々な色合いの紅葉が楽しめる。
周辺の紅葉情報をチェックしながら旅の計画を立てると良いだろう。
【どこから見る?十和田湖の紅葉】
十和田湖畔の紅葉は湖畔一帯に広がる。もちろん湖畔道路を車でドライブしながら楽しむことも出来るが、オススメしたいのは湖面から見る紅葉だ。陸側からでは見ることができないワイドな紅葉を楽しむことが出来る。
湖面へ出る方法はいくつかある。
1つは遊覧船に乗船することだ。コースは休屋(やすみや)・子ノ口(ねのくち)間の片道コースと休屋発着の周遊コースがある。紅葉シーズンは多くのお客様が遊覧船に乗船する。団体の場合などは事前に予約するのが良いだろう。
(十和田湖遊覧船)
URL:http://www.toutetsu.co.jp/ship.html
団体予約センターTEL:0176-75-2909
もう一つ、休屋からカヌーに乗ることも出来る。
カヌーの魅力は何と言っても湖面に近いことだ。遊覧船では行けない入り江や岸に近い場所に行くことができる。ゆったりと景色を楽しみたい方にオススメである。カヌーに乗ったことがない方も安心、ガイドがついて案内してくれる。
(Towadako Guidehouse「櫂」)
URL:http://tgkai.jp/index.html
TEL:080-1681-1036
【十和田湖秋の旬探し】
秋の十和田湖に訪れたら湖の中を覗いてみてほしい。十和田湖にはヒメマスと呼ばれる生涯淡水で生きる鮭が生息している。ちょうど紅葉のシーズンになるとヒメマスたちは産卵を迎え、浅瀬に上がってくる。
十和田湖のヒメマス漁は朝早くから始まる。
漁師たちは網を湖に投げ入れ、みんなで陸地に向かって引っ張って行く。
網の中には活きの良いヒメマスがたくさんかかっていた。
水揚げされた新鮮なヒメマスはその日のうちに十和田湖畔のレストランやホテルで味わえる。
ヒメマスは鮭のなかでも一番美味と言われている。是非、試してほしい逸品だ。
【十和田湖畔をゆったり眺める】
十和田湖畔に佇む十和田プリンスホテルからは、ホテルの庭園の先に十和田湖を眺めることができる。十和田湖の中心部から少し離れたところにあり、静かで隠れ家のような場所にある。西洋の雰囲気を取り入れており、優雅なひと時を楽しめる。
ホテルのお風呂は十和田湖西湖畔から湧き出る温泉である。
弱アルカリ性で疲労回復や冷え性に効能がある。
温泉の目の前にホテルの庭園が広がり、リラックスして入浴できる。
ホテルの食事はフレンチや西洋のスタイルが中心である。写真は十和田プリンスホテルのランチ、ヒメマスサンドだ。この他にもグループで予約するとコース料理を楽しむことが出来る。
紅葉する十和田湖を眺めながらのゆったりした時間を過ごせる。
(十和田プリンスホテル)
URL:https://www.princehotels.co.jp/towada/
TEL:0176-75-3117
東北地方には多くの紅葉スポットがあるが、その中でも四季折々で様々な様子を楽しめるのが十和田湖。特に秋の紅葉シーズンはもっとも良い季節と言える。夏が終わり涼しくなってきたら山合いの紅葉を気にかけてみてはどうだろうか。
十和田湖ブルーと呼ばれる透き通った青色と赤色や黄色に紅葉した鮮やかなコントラストをぜひ楽しんで欲しい。