地域活性と西馬音内盆踊りの周知に奮闘するみやげもの屋店主

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秋田県雄勝郡羽後町西馬音内(うごまちにしもない)在住 佐藤良友(よしとも)さん

日本三大盆踊りの一つである西馬音内盆踊りが行われる西馬音内本町で生まれ育ち、みやげもの屋「ながや」を経営しながら、地域活性化、西馬音内盆踊りの周知活動に奮闘しています。

 

みやげもの屋「ながや」誕生‼

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高校を卒業後、羽後町の隣接市である湯沢市の会社に1年半勤め、憧れていた東京で働いてみたいと、1年間という両親との約束で上京しました。地域の伝統行事である西馬音内盆踊りに幼少期から参加して育ち、この行事を愛する良友さんは、どうしてもこの行事に参加したいと、盆踊りが終わった直後に上京し、盆踊りが始まる前に羽後町に戻ってきました。1年間という約束の裏には、西馬音内盆踊りが大きく影響していました。

東京から戻り間もなくして、自宅倉庫を車庫として借りていたタクシー会社が移転することとなりました。みやげもの屋をやりたいと昔から考えていた父は、このスペースで良友さんにみやげもの屋を経営させます。これにより、昭和51年6月にみやげもの屋「ながや」が誕生。お土産品や民芸品、生活用品、おもちゃ、駄菓子など時代に合わせ販売する物を変えながら、「ながや」の看板を守っています。

 

地域を!商店街を!活性化したい

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商工会青年部に入部していた時代は、商店街を盛り上げていこうと、様々なイベントがあったそうす。その頃に中核メンバーとして関わった「夜市」というイベントは、露店などが出店し大人から子供たちまでが夏夜の商店街に集まるイベントとして20年続きましたが、時代の流れにより休止となってしまいます。しかし、もっと大きなイベントを作ってやろうと「かがり火天国」という新しいイベントを商店会の仲間たちと立上げます。商店会の有志や地元銀行、地元JAなどによる露店出店や地域コミュティによるヨサコイの披露、音楽ライブ、商工会青年部主催のストリートバスケ大会など中身が盛りだくさんのイベントは、羽後町の夏の風物詩となり、平成28年度は第10回の開催となりました。また、日本三大盆踊りの一つである西馬音内盆踊りを多くの人に知ってもらいたいと、町内外の公演に意欲的に参加、地域コミュティでは中心的な存在として活動しています。

 

父の影響があったからこそ!

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様々な活動をおこなう上で、父の影響はとても大きい語ります。祭りの時、町内の仲間を引っ張るリーダー的存在だった父。戦前から続いている地元の御嶽神社祭では、父のアイデアで、町内ごとに作った山車(だし)を引く祭りになったそうです。山車を作る作業場は自宅にあり、ここに近所のお父さんたちが集まり山車を作成している中、イベントを盛り上げようと奮闘する父の背中を見て育ち大きな影響を受けたとおっしゃいます。この作業場は、良友さんが引き継ぎ、祭りが近付くと、町内の皆がここへ集まり、飲み語りながら作業をおこなう時間が楽しいといいます。

 

「ながや」誕生から40年以上たって思うこと

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昭和51年6月に「ながや」が誕生してから40年以上の月日が流れました。現在はお土産品、おもちゃ、駄菓子を販売しています。西馬音内盆踊り関連の新しい民芸品を製作し販売するなど、みやげもの屋として様々なことに挑戦してきましたが、おもちゃや駄菓子を置く理由として「子どもたちが集まる場所作りの為、自分が出来る限りはお店を続けていきたい」と語ります。子どもたちの数が減ってきた現在「よく売れているのは、おもちゃのピストルや爆竹」だそうです。農家が多い羽後町ならではの理由があり、「カラス除けに農家さんがよく買いにくるんだ」と、教えてくれました。「大変なこともあるけれど、仲間たちと一緒だから頑張れる。とは言え、やっぱり好きだからやれるのかな」と、様々な活動にまだまだ意欲的です。

 

 

ライター:秋田県羽後町在住 尾崎幸子

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