
角館で生まれ育った橋本さんは、高校時代に通学路として毎日通っていた武家屋敷の光景を見て、「なぜ、毎日これほどたくさんの人が角館を訪れるんだろう?」と不思議に思っていました。もともと観光業に興味を持っていた橋本さんは、この疑問を解決するため高校卒業後に専門学校を経て旅行会社に就職しました。そこでの経験を通して、「私が当たり前に住んでいた街は、外の人にとっては当たり前ではなく、時間とお金をかけてでも訪れたい街なんだ!」と強く感じました。そこで「たくさんの旅行者を角館に連れていきたい」という思いを持って働き続けましたが、なかなか思い通りにはいかない日々が続きました。その後、結婚・出産を機に帰郷。すると、それから少し経った1995年に「角館歴史案内人組合」設立の話があり、「これは運命だ!」と感じた橋本さんは、案内人の募集にすぐに応募しました。案内人第1期生として活動を始めてから20年、何百何千という旅行者に角館の魅力を伝えてきた橋本さんは、「私たちが日々学び続け、それを一生懸命お客様に伝えることができれば、そのお客様はきっと周りの人に角館の魅力を伝えてくれ、そしてその方々を連れてまた角館を訪れてくれると信じています」と、満面の笑顔で話して下さいました。
東京出身の荒川さんは、結婚を機に角館に嫁ぎ、角館歴史案内人が設立して数年が経った2001年から活動を開始しました。「自分が楽しむことができて初めて、お客様を楽しませることができる」と話す荒川さんは、暇があれば町内に住む様々な人に会いに行き、常に新しい「角館ストーリー」を発掘しに行くほど好奇心旺盛な方でした。そして、この角館の歴史・魅力を次世代に受け継いでいくために、地域の小・中・高が取り組んでいる「学生による角館の歴史案内」活動にも積極的に参加しています。「とにかく話す、声に出すことが大事。それを繰り返すことで、本当に自分が伝えたいことが徐々に見えてくる。そして、その行動は必ずや人に伝播し”文化”を作りあげる」というお話の中に、文化財を守り受け継いでいくという大きな責任感を感じました。
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→http://kakunodate-annai.jp/