【DMOって何?:① そもそもなぜ地域で観光業?】

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こんばんは、トラベルデザインの須﨑です。
ここ数年で「インバウンド」という言葉が全国各地に広まり、地方都市でも「地域活性化の為に観光客を呼び込もう!」と様々な施策が実施されています。DMOという言葉も同じ流れの中から生まれてきました。しかし、そもそもなぜ地方で観光業を実施するのでしょうか? 地域にとって観光業とはどのような効果があるのでしょうか?また、外国人観光客は地域を訪問したいと考えているのでしょうか?

ここでは「地方目線」と「外国人目線」両方から見た観光について一つずつ事例を紹介したいと思います。

【地方が観光業を実施する最大の理由】
なぜ地方が観光業に進出したいのか?答えはシンプルです。お金が地方に落ちるからです。
地方都市は地域経済を活性化させるために様々な施策を打ってきました。ずいぶん前から実施されてきた企業誘致や、今も真剣に取り組まれている移住などの施策があります。これらはいわゆる「定住人口」を増やす政策です。一方で、観光業で誘致する人々は「交流人口」と増やす施策です。短期的にその地に滞在する人々のことを指します。

一見定住する人の方が経済効果が高そうに(地域にお金を落としてくれそう)思いますが、交流人口も侮れません。特に外国人観光客の場合、旅行中に消費する金額がとても大きいです。以下、観光庁が示す「観光交流人口増大の経済効果(2013)」の示すデータです。
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このデータから見ると、1人がある地に定住すると平均で年間124万円消費します。それを外国人観光客の消費に換算すると、10人分となります。単純な計算では10人の外国人観光客を誘致すれば定住人口が1人増えた計算になります。この旅行者の消費額の大きさこそ地方都市が外国人観光客を誘致を目指す目的です。

【外国人観光客は地方都市に興味を示すのか?】
これまでに地方都市が外国人観光客を誘致したい理由を紹介しました。しかし、これはあくまでも地域の目線です。本気で外国人を誘客するためには、外国人に地方都市を目指す欲求がなくてはいけません。果たして外国人が地方に興味を示すのか?この問いに答える面白いデータがあります。
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現在来ている外国人観光客が日本で実施した観光BEST3は以下です。

1位:日本食を食べる
2位:ショッピング
3位:繁華街町歩き
(現在ニュースで話題の爆買ツアーなどがまさに当てはまります。)

注目したいのは「今回実施した活動」より「次回実施したい活動」の方が多くなった項目です。

温泉入浴や、四季の体験、自然体験・農漁村体験などが挙げられます。一度日本に来た外国人、もし次に来るならば何がしたいか?と聞かれれば、体験型に興味を示していることが分かります。そしてこれらの体験は全て地方都市で実施可能なものばかりです。

想像してみてください。初めてフランスに行って、エッフェル塔や凱旋門、ルーブル美術館などを楽しみました。毎晩、夜はレストランでフランス料理を食べ、そこで飲んだハウスワインは本当に美味しく堪能しました。そんなあなたがもう一度フランスに行くなら・・・ある方は芸術を自分で体験してみたいかもしれません。ある方は美味しかったワインを作る現場が見たいかもしれません。一度訪れたことで視野は広くなり、フランスをもっと深く知りたくなるでしょう。

日本に初めて来るお客様はまずスカイツリーや浅草を目指し、ラーメンや寿司を食べます(そうでなければいけません)。そこで日本のことが好きになった方々はより深く日本のことが知りたくなり、徐々に地方へと目を向けていきます。

日本を複数回訪れたことのある外国人観光客は着実に地方都市にあるコンテンツに興味をしめしていることが分かります。

地域は新たなマーケットを必要としています。一方で、外国人観光客はよりディープな日本の体験を求めて地方に興味を示しています。双方がまさにマッチングしようと動き出している。これこそが今地方都市でインバウンド観光の施策が盛り上がっている最大の理由です。

次回はこれまでの観光産業の構造について共有させていただきます。

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