【DMO Vol.6 DMOに必要な3つの要素】(Unify the Akita tourism management)

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12月15日、観光庁がDMO候補法人登録の登録を開始しました。
DMO候補法人について

最終的には全国で90箇所のDMO候補法人の登録を目指し、全てをネットワーク化し日本版DMOを構築することを目的としています。国が動き出したことで「DMO」について各地域で議論が始まりました。

しかし、そもそもDMOとは何なのか?DMOの本質はまだまだ広まっていません。今回はDMOの意味について書きます。

【DMOの定義】
まずDMOとはDestination Marketing Organization、もしくはDestination Management Organizationの略称で、欧米では既に実践されている観光施策です。直訳すればDMOとは「目的地をマネジメント/マーケティングする組織」という意味になります。

地域に行くとよく聞かれるのが「ManagementとMarketingの2つの意味にどういった違いがあるのか?」という質問です。そこでご説明させていただいているのは「Managementの中にMarketingが含まれている」ということです。下記図のように地域の観光をマネジメントする要素の一つとしてマーケティングも含まれています。

英語の文字から読み取れるDMOの意味とは「目的地をマーケティングを含むマネジメントする組織」ということになります。
DMO説明_FBページ.010
また日本語訳では「DMO=観光地域づくり」と言われています。
観光地域づくり・・・日本語にするとなんだかよく分かりません。
そこで観光庁がDMO説明会で紹介する成功事例から見ていきます。

【DMOに必要な3つの要素】
秋田の説明会で詳細された成功事例は「 (一社) 八ヶ岳ツーリズムマネジメント」の事業でした。
この組織の何がすごいのか?

①1市1町1村が連携
(一社) 八ヶ岳ツーリズムマネジメントが担う地域は山梨県北杜市、長野県の富士見町、原村に及びます。これら1市1町1村が「連携して観光地域を作ろう」と決断しました。地方都市に住んでいるとこの凄さが分かります。これまでの観光施策は各市町村単位で実施しており、複数の市町村が連携することはほとんどありませんでした。しかし、八ヶ岳エリアでは2県に渡って連携することになりました。

②共通コンセプトを設定
(一社) 八ヶ岳ツーリズムマネジメントでは連携地域のコンセプトを「1,000mの天空リゾート八ヶ岳」としました。管轄エリアは標高400mから1,600mに広がっています。急勾配な地理的要素から生まれる自然の美しさやそこで生きる人々の生活を世界に発信するべく、分かりやすい「1,000m」をコンセプトに入れたそうです。複数の地域が同じコンセプトを持つこと、またマーケットに分かりやすいように具体的なネーミングにしたこと、他の地域ではなかなか起こりえないことです。標高400mの事業者も1,400mに住む人もみんな「1,000m」が入るコンセプトに同意し一緒に進めてきました。各地域がバラバラに発信するよりも、マーケットを意識して共通コンセプトを持ち共同で世界に向かっていく方が強い発信力を得るのでしょう。

③民間主導のマネジメント体制
(一社) 八ヶ岳ツーリズムマネジメントはもちろん民間組織です。管轄エリアの地域行政は一歩引いた場所にいます。以前から紹介している観光事業の3つのプロセス(観光開発・広報活動・受け入れ)の全てに民間の力が必要です。八ヶ岳では観光施策を最初から民間が動かすことで、民間の主体性をシステムレベルで構築しています。
DMO説明_FBページ.009
地域の観光に関わりを持たない人からすればこれらの説明は「当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、地域の観光はこれまで「待ち」の体制であったため、民間の主体性は大きく求められてきませんでした。しかし、環境が変わり待っているだけでは立ち行かなくなった。どうしても地域が自らマーケットに攻めていく姿勢が必要なのです。 (一社) 八ヶ岳ツーリズムマネジメントはまさにこれまでの「待ち」の姿勢を改革し、主体性を持ってマーケットに合わせて攻めていく組織を作り上げた点でDMOの成功事例として紹介されています。

改めて、DMOは何なのか?
DMOとは「これまでバラバラだった地域間の連携を図り、マーケットに合わせてコンセプトを設定し、民間が自ら世界へ攻めていくシステム」のことです。

地方都市に住んでいると、上記3つの要素を達成することがいかに難しいのか肌で感じます。一方で、これ以外に世界へアプローチしていく方法は見当たりません。中途半端に「とりあえずDMOになろう」と表面的なつながりだけを求めれば、これまでと変わらない施策となり、ブームは終わってしまうでしょう。「本気」で観光で地域づくり実施するためには必要な3要素です。

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